IKORI SONG SOLO EXHIBITION 2023

2023/10/9~10/14 12:00~19:00(Last day until 17:00)

Gallery 58 (Tokyo)
あらゆるすべてのものは、現在の私が見る思い出です。これは理解しやすいことで、私は今の私しか存在しないからです。私が作品に変えることのできる思い出はすべて穏やかで、当時に無視された小さな自分をなだめようとしたり、現在の経験を当時の思い出と置き換えようとしたりしています。これは「もしも……」という言葉で始まる対話であり、説得の場面でもあります。このような光景は真実とは言い切れないかもしれませんが、「現在」という文脈における別の一つの真実なのです。
作品には比較的古いものと最近の日常生活が混じり合い、再構築された形で表現されています。ホールトン平原に歩き、熱海の海辺に立ち、あるいは退屈な真夏の午後の昼寝……これらの作品を制作する際、私は過去と現在が不思議なほど融合していく感覚を覚えました。作品の中のシーンは必ずしも実際に起こったことではなく、むしろ私がまとめたり比喩的に表現したものです。観賞中には作品のタイトルを手掛かりにし、展示されている作品の面白さを探求してください。
本展示の作品は、あいまいで主観的な色彩で表現されており、それによって記憶の構築が不確定性を含むことを示唆しています。つまり、同じ記憶でも異なる絵として何度も表現される可能性があるということです。